2015年2月17日火曜日

トルコのモニュメント その1

昨年の12月21日、友人のホテルにモニュメントを作るためにトルコに渡りました。
到着早々雪に見舞われ翌日現場のホテルへは徒歩での参上となりました。

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ホテルがあるのはカッパドキアのウチサルという村で小高い岩山のようなところです。
通常は車で上がれる坂道の上にホテルが、もう完成間近に見えました。

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参考までに晴れた日のウチサル全景です。
作業中ずっとあの岩山に登ってみたいと思いながら見あげていました。

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工事中のホテルを見ながら依頼者2人と打ち合わせ。
そこで初めてホテルの顔とも言うべき正面玄関に作品を作ってほしいと言われました。
僕は1m程の物を中庭か室内へ作るつもりでしたので日程も道具もその程度の準備です。
この玄関に作るなら2.5m以上はないと見栄えがしないし
それを作るということは費用も時間も何倍もかかることを説明しました。
しかし彼らの勇気とホテルへの情熱は曲がることなく、僕も覚悟を決めました。
「やりましょう!!」
近隣の石材業者を回りましたが目当ての原石に出会えず
それならばと450㎞離れたアフヨンという大理石の産地に出向きました。

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片道4時間、シルクロードをひた走り日帰りでの強行軍です。
アフヨン滞在は3時間、普通なら数日かけて石を吟味したいところですが時間がありません。
地元の知人を頼って何とか条件に合う原石を運んできてもらいました。

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ご覧の通り2面しかカットしておらずヒビの確認が困難な原石です。
しかし時間の無さと金額の安さ、石自体の質の良さもありギャンブル的に即決。
もしヒビが出てきてもそれをフォローする方法もあります。
工場に底出しと余分なところのカット、その後の運搬を依頼してアフヨンを後にしました。

ヒビの有無やカット作業を確認せずに帰ることも不安でしたが
それより何より僕自身が予定以上の巨大な石を如何に1か月で彫り終えるのか
車窓の景色を眺めながら実は途方に暮れていました。
帰りの道中彼らの友人が営むドライブインで特別な料理を食べさせてもらいました。

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能天気な僕はその美味しさに「なんとかなるさ」と勇気付けられるのでした。