2017年5月9日火曜日

最近のアトリエ

久しぶりの石割りです。
今回は僕が良く使うフィレンツェ産砂岩「ピエトラセレーナ」を割りました。


長さ約3m、一本で使いたかったのですがなかなかその機会もなく
今回オーダーをいただいた1mほどの彫刻に使うことにしました。


年々機械が巨大化していて体に堪えます。


一列に30㎝くらいの深さに穴を空けたら
このブログではお馴染みのセリ矢を入れてハンマーで叩いていきます。


僕のアトリエには大型の切断機がないのでこうして矢で割るのですが
それだとどうしても両端にロスが出るので1mの石を使うにしても
念のため2~30㎝多めに取って割らないとなりません。


今はこんな機械が欲しいです。(イメージ画像)
ここまで大型化すれば体への負担も減ります。

最近は僕が使う素材や石種も多様化してきました。
現在国産の石材を使う機会をいただいてる中で宮城県の稲井石を加工中です。


粘板岩といういわゆるスレートで木材のように目がはっきりしています。
その目に沿えば薄く大きな板を割り出せるため昔から石碑に使われる名石です。
とても美しい石ですが手での加工が非常に困難なので
破損のリスクなく深く彫りこむためにと購入したのがコアドリルという機械です。
(もちろん中古です)
写真の赤い筒状のダイヤモンドドリルが水を出しながら回転して石をくり抜いてくれます。
時間はかかりますが自重で勝手に降りていってくれるのでとても助かります。

これが終わると次は島根県の来待石という砂岩が待ち構えています。


先ほどのフィレンツェ砂岩にも似た美しい石です。
この石も初めて使うのでまずはどんな加工方法が有効かを探らないといけません。
どんな石なのか、楽しみでなりません。
多様な素材に対応するために、そして体をいたわり石のロスを無くすために
機材や重機を充実させねばと思う今朝でした。